小さくても目立つ。

随分思い切った名前をつけたものだと自分でも思うのです。「女の欲望ラボ」。独立するときに、家族会議もしました。この名前で世の中に出てもいいかと。家族は、言いました。「訳のわからない会社名が世の中には多すぎる。それだと何をやっているのかわからない。でもこの名称は何をやっているか、明白だ」と。家族に勇気付けられ、「女の欲望ラボ」は、堂々と世に出て行きました。ぎょぎょっとするけれど、だいたいは、「すごいですね」「潔い」「かっこいい」「よくぞつけました」などお褒めの言葉をいただきます。お褒めの言葉だと信じています。そう思わない人、言わない人は、「センスのない人」と私の中で片付けられます。一緒に仕事をしなければいいのです。

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でも、少しだけ年を重ねた私は、あるとき、肩書きを変えてしまいました。ちょっと自分に負けたのかもしれません。最初は「女の欲望ラボ 代表」でした。今も、それに変わりはないのですが、もう少し賢そうにと新聞社が考えてくれて気に入って使っている「女性生活アナリスト」の肩書を前に持ってきて、裏に小さく「女の欲望ラボ」と入れました。すごく小さな級数です。実は超老眼の私には、読めないくらい小さいのです。

でも、みなさん、とくに、男性諸君は、アナリストの肩書には「ふーん」とスルーして、名刺を裏に返したとき、この小さな名称に、「おおっ」と発します。必ずといってよいほど何か言ってくれます。「この名称について、1時間くらい話を聞きたい」とか「これは!!いったい!!すごいですね」と。そうしたらもうこちらのものです。会話は続きます。

どんなに小さくても、そして裏に書いてあっても、心に刺さり、忘れられない「女の欲望ラボ」。ああ、この名前で13年もやってきてよかったと思うこのごろなのでした。